乳牛と私達

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(文字起こし)

皆さんは毎日どんなものを食べていますか。お肉や卵牛乳を食べていますか。もし食べているとしたら、それがどのように作られて今、目の前に出ているのか考えた事があるでしょうか。動物性の食べ物がどのような所で生産され私達の元に届けられるのか考えてみましょう。

今牛の赤ちゃんが生まれました。子牛が生まれるとすぐに母親から引い離されていきます。母牛は我が子の姿を一度も見る事ができません。生まれたばかりの赤ちゃんは皆は母親のお乳を飲んで育ちます。母乳には子供を病気から守る成分が含まれています。

本来であれば牛の赤ちゃんにも母乳が必要です。でもこの子牛たちは、母親のおっぱいを吸う事はできません。幼い子牛には母親の乳ではなく人工ミルクがバケツで与えられています。子牛はゆっくりと乳首を吸うことができないためしばしば消化不良になり下痢をします。

バケツのミルクは一気に飲み干されすぐに空になってしまいます。乳首を吸うことができないため子牛の生理的欲求が満たされず口さびしくて代わりに仲間の口や柵や檻を舐めています。

一方母牛達は一日に3回も乳を搾り取られています。乳搾りも機械化が進んでいます。全て自動化されていて人間は牛と顔を合わせる事もなく触れ合う事もありません。

乳牛の一生をたどってみましょう。子牛が雄の場合は生後一週間ぐらいで売りに出され家畜市場で競りにかけられます。それ以降は肉牛として飼育され一歳ぐらいで屠殺される運命です。

子牛が雌の場合は乳牛として飼育されます。子牛は一頭ずつ小さな仕切りの中に隔離されています。小さな囲いは風通しが悪く、まだ抵抗力のない子牛にとって良い環境ではありません。

牛はとてもおとなしい動物です。だから自分の身を守るためにに角があります。私達は角のない牛を見慣れています。それは子牛の時に角が焼き取られているからです。狭い所で牛を飼うために角は危険で邪魔とされています。

麻酔をかけていても醒めたときはさぞ痛いことでしょう。角を取られない代わりに身動きできないようにさせられている牛も沢山います。牛達は、ほとんど一生の間牛舎でつながれて短い命を終えることになります。

本州では大きな牧草地や放牧場を持っている農家はほとんどありません。そのため子牛の時に夏の間だけ牧場に送って草を食べさせる事があります。ここでは草を食べ歩きまわる事ができます。

牛の体もつやつやしてきれいです。この時期が生きている内で一番幸せな時かもしれません。牛舎では子牛を出産し搾乳が始まると死ぬまで外に出る事も歩く事さえありません。身動きもできず、ずっとつながれたままです。

哺乳動物は出産しなければ乳を出すことはできません。牛は一歳を少し超えた時に人工授精が行われます。日本では、乳牛のほとんどすべてが人工授精で生まれます。

子牛が生まれるとすぐに搾乳が始まります。牛の母乳は子牛のためではなく人間のために搾られていくのです。子牛には母牛のミルクではなく代用乳が与えられます。かつてはこの中に牛の肉骨粉が入れられBSEの原因とされました。

一般には脂肪分が高いほど良い牛乳だと思われています。脂肪分を高めるために、そして沢山の量を搾り取るために牛達には牧草ではなく穀物が与えられています。牛は草を食べる動物で繊維質の草を消化するために胃が4つあります。しかし大量に穀物が与えられるために消化器の病気が起こります。

その一つが4つ目の胃の位置が変わる病気です。毎年数パーセントの牛がこの病気で手術を受けています。不自然な餌を与えることにより多くの牛が病気になっています。

牛の体はミルク製造機のように作り変えられてきました。非常に大きな乳房のせいで乳房炎という病気が蔓延しています。

スーパーでは水より安い牛乳が売られています。消費者がひたすら安くて濃い牛乳を求めた結果として乳牛達の悲惨な状況が作りだされてきたのです。

母牛たちは一日中牛舎につながれたままです。畳一枚ぐらいしか無いスペースで一生を過ごさなければなりません。きちんと世話をしない農家では牛はこのような状態になってしまいます。掃除しやすくするために牛には首枷がはめられています。

定位置で牛が糞尿を排泄するように電気ショックが与えられます。汚れたしっぽは切断されてしまいます。乳搾りの邪魔になるというので輪ゴムで締め付け腐らせるのです。

フリーストールという飼い方では、身動きはできますが、床一面の糞尿のせいで蹄が病気になってり滑って足を痛めたりします。本州では夏の猛暑が続いています。元々牛は暑さに弱い動物です。この夏の酷い暑さにもただじっと耐えなければならないのです。

つながれたままだと病気に対する抵抗力も弱くなり牛達は、様々な病気にかかります。絶え間なく抗生物質などの医薬品が投与されています。抗生物質が投与された牛の乳は出荷できず捨てられる事になります。抗生物質入りの牛乳が排水口から河川に流れ出ています。

家畜の糞尿は地域の環境を汚染し公衆衛生の大問題となっています。母牛達は毎年子牛を産み3-4回出産すると老廃牛として家畜市場に売りに出されます。牛の寿命は20年ぐらいと言われますがこの世界では6-7歳で既に老いて不要とされています。

つながれたまま一度も蹄を切ってもらえなかった牛です。病気になったり体の具合が悪くなった牛もいます。牛達は屠畜場に向かうトラックに乗せられます。一昼夜も走り続け今到着しました。牛達はここにつながれ最後の時を迎えます。そして。

ひたすら人間のために尽くし死んでもなお人に利用されるだけの短い一生を終えます。牛、豚、鶏など人間の食用に飼育されている動物達の事をあなたはどれだけ知っていますか。

肉や卵を食べたり牛乳を飲む時にそれらを作りだしてくれた動物たちの姿を思い浮かべてみませんか。羽ばたく事も後ろを振り向く事もできない狭いケージに詰め込まれている鶏たちは様々な病気に脅かされ薬漬けにされています。

そしtえ一度鳥インフルエンザなどの病気が発生すれば鶏舎の鶏を全て処分しなければなりません。全く窓のない豚舎です。豚たちは生まれてから一度も太陽に光を浴びることもなく爽やかな風を受けたこともありません。

唯一光と風を受けるのは屠畜場に運ばれる時だけです。牛達は体力の限界まで搾乳されています。様々な病気に脅かされ生まれてから一度も緑の草を食べる事なく短い一生を終えています。

その牛の血と涙から作られた貴重な牛乳が生産過剰で捨てられています。それならなぜ牛がもっと健康で幸せに生きられるように飼育できないのでしょうか。

買い物をする時に考えてみましょう。食生活が安心で安全である事と動物たちが健康で幸せである事は切り離す事ができません。まだわずかですがスーパーの店頭には動物の福祉に配慮した製品が見られるようになってきました。

今世界的に動物福祉の五原則が提唱され国際的な取り決めの中に採用されています。

動物福祉の五原則


1. 十分な給餌・給水
2. 快適で清潔な居場所
3. 病気や怪我の手当
4. 恐怖にさらされない
5. 自由に行動できる広さと仲間がいる

日本人の畜産商品の消費量は増大する一方です。けれどもその背後には動物の病気の他にも食料自給率の低下や環境の汚染、資源エネルギーの乱消費、食べ物の安全性に対する不安、国境を超える感染症といった様々なリスクが発生しています。

現代畜産が抱える問題


・動物の病気を薬漬け
・食料自給率の低下
・排泄物による環境汚染
・エネルギーの乱消費
・食の安全への不安
・国境を超える感染症

このような状況を変えるために私達には何ができるでしょうか。畜産動物の飼育状況に関心を持つ事。環境問題を理解する消費者になる事。思いやりのある食事を摂る事。それが動物たちの苦しみを救い、私達自身も健康になれ、そして地球環境の改善にも役立つ最も近道なのではないでしょうか。

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